FXはいくらから始められるのか?
「FXを始めたいけれど、いくら用意すればいいだろう?」
このような疑問を持つ方は多いでしょう。
結論から言うと、「始めるだけ」であれば、数千円〜1万円あれば口座開設して取引をスタートできます。
ですが、ここで私が強調したいのは、「何のためにFXを始めるか?」です。
FXをすることが、FXを始めることが、目的ではないですよね、、、もちろん皆さんは「FXで稼ぐこと」が目的であるはずです!
FXで稼ぐために、まずはどういう考えをもって自己資金を準備するか、そしてどのように取引と自己資金の管理を行っていくかを徹底解説してあるので、初心者の方をはじめ、トータル収支がマイナスの方も、ぜひ、最後までお付き合いください。
知らないと損する少額スタートの罠
「FXは少額からスタートできる!」「投資初心者でも始めるまでの敷居が低い」
このような特徴が、FXのメリットとして世の中では大いに謳われています。
ですが、実際には少額スタートは「見えないリスク」が2つほど存在するので、安易にメリットとして受け入れられるものではありません。
では具体的に学んでいきましょう。
▶︎無茶苦茶なトレードをしやすい
無茶苦茶なトレードとは、レバレッジを必要以上にかけすぎてしまったり、チャンスがないのに無駄にエントリーしてしまったりというような状況のことを指します。
「早く稼ぎたい!」「少額から一攫千金を狙いたい!」など様々な欲望が絡み合う中で、自分の取引ルールや、キャパシティを超えたトレードが横行してしまいます。
結果、何度も口座破綻、ロスカットを繰り返してしまう→損失を取り返すために一攫千金を狙う→口座破綻といた負のループに陥ってしまいます。
▶︎緊張感が薄れる
少額だからといって、資金管理を侮ってしまいやすくなります。
「今回だけは損切りしなくても大丈夫」というように、自分の取引ルールやスタイルが固まらない原因となります。
また、早く稼ぎたいがためにポジションを持っていないと落ち着かないのが原因で、無駄なトレードが増えるポジポジ病にもなりやすいです。
上記2つで挙げたように、真っ当なトレード以外で勝ち続けられるほどFXは甘くないです。
少額だからという理由で何度も口座破綻を繰り返し、結果、気づいた時には数十〜数百万を失っている。そしてまともな取引手法、ルールも定まっていない。
このような結果にならないためにも、最初から、確固たる戦略をもって自己資金を管理するべきです。
大原則として、投資は余剰資金で行う
投資は余剰資金で行いましょう。
これはFXに関わらず、投資全般に関して言える絶対原則です。
余剰資金とは簡単にいうと、日常生活に支障の出ない範囲のお金のことです。
ここで注意したいのが「支障の出ない範囲」を見誤らないことです。
今、現在の生活水準を守るとともに、今後の将来的なライフイベントに対する必要資金は残しておくべきです。「FXをしていて、まだ勝ち組になれていないから常に銀行口座の残高は0に等しい。」というような状況下でFXをすべきではないです。
なぜならば、シンプルに数ヶ月、1年と努力したからといってすぐに勝てるようになるというものではないからです。
実際に、海外FXwikiの調査によると、FXで勝てている人の割合は20%前後です。つまり約5人に1人の割合で勝っている人がいる反面、5人に4人は負けているという事実を軽視してはいけません。
冒頭が少し長くなりましたが、余剰資金をオーバーした際に発生するデメリットを3つ把握しておきましょう。
▶︎全資産でFXは後がない
当たり前のことかもしれませんが、全資産で大金を稼ごうと躍起になっても失敗したら後がありません。
シンプルに生活に困り、今後の人生設計も崩れてきます。
▶︎精神的余裕がなくなる
FXにおいて、メンタル・精神的な余力はもの凄く重要になってきます。
例えば、仕事中、全資産で取引をしていて急騰、急落が起きたりすると、仕事どころではないですよね。
また、負けてはいけない・負けられない状況を必然的につくってしまい、負けた際に取り返さなくてはならないというメンタルに追い込まれてしまいます。
もちろん相場は、負けたからといって有利になるわけもなく、躍起になってでたらめなトレードのいく先は口座破綻一択です。
▶︎プロスペクト理論をもろに受けやすい
プロスペクト理論とは行動経済学の一種で、簡単にまとめると、
「人間の感情は得をしたときの喜びより損をしたときの痛みの方が大きい」→「損をしたとき合理的な判断ができなくなる」→「損を避ける行動ばかりをとってしまう」というものです。
全ての行動が損失回避のためだけに行われ、正常な判断をするのがとても厳しい状況になってしまうのです。
断言できますが、損を出さず、リスクを取らず、利益のみ得られるなどFXの世界でも皆無です。
プロスペクト理論の術中にはまっている間はもちろん勝ち続けることなど不可能です。
いきなり実践は危険?
よし!そこまで少額が危険なら、、全資産でない範囲で、まとまったお金を用意してくるぜ!
と思った方はちょっとお待ちください。
タイトルにある通り、いきなり実践は危険です。
そして、FXをはじめとする投資全般の最もネックなところは、口座開設するだけでお金をいとも簡単に動かせてしまうことです。
実際に取引してみるとわかりますが、例えば、何の戦略や手法もなしに、上がると思って買ったとしても、50%の確率で上がってしまうのです。これが本当に恐ろしいことで、何一つ考えることなしで取引しても、勝つだけなら誰にでも勝ててしまうのです。
余剰資金の回で挙げたように、FXで勝てている人の割合は約5人に1人、つまり全体の8割は負けているのです。さらに初心者の中では9割くらいの人が負けている、と言っても過言ではないです。
いきなり実践をしても、そのお金はほぼ9割の確率でなくなるといってもおかしくないので危険すぎですよね。
FXのマーケットには、「この道数十年のプロ」も「金融機関のディーラー」も「億トレーダー」だっています。サッカーのW杯に素人が参入して勝てる訳ないように、FXのマーケットに素人が参入しても勝てる訳がないのです。
では実際に、「勝つ」ではなく「勝ち続ける」ために何を行っていくべきか。次のステップで詳しく解説していくので、やる気、集中力100%でついてきてください!
負け組トレーダーにならないための戦略と対策
▶︎まずは1年デモトレード?
どうでしょう?
1年はデモトレード(仮想のお金を使った練習)と聞くと「いやいや1年は長いでしょ、、」「まあ1年なら練習するか!」いろいろな意見があるかもしれません。
ですが私は、1年のデモトレードは妥当だと断言します。
まず第一に、FXには運が絡むギャンブルっぽいところがあり、依存性が高いです。そのため、1度取引しようと思って始めると、負けるまでやったところでやめるにやめづらいです。結果、損失を取り返すのが目的になり、気づいたら1年。。そして収支は安定のマイナス。。。というのが8割ほどといっても過言ではないです。
そして何より、初心者、上級者に関わらず、実際に新しい取引手法を考案してリアルで運用する際には、一定期間のデモトレード、一定回数の検証作業を行うからです。
上級者の場合、取引に関する引き出しが多いため検証作業だけで済むケースが多いですが、初心者は基礎知識からすべて学んで経験しての段階なので、一定期間のデモトレードが必須です。1年経てば、季節的なイベントをまるっと体験できるのもポイントです。
正直、1年経って、資金が増えたり減ったりせずプラマイゼロというのは刺激がないかもしれません。
でも逆に、1年経って、取引手法も確立して、「収支がマイナスでない」というのは上出来すぎるほどのトップクラスの仲間入りでもあるのです。
そして本来、トレードは勝ち組になると刺激的とは程遠い退屈を味わうものです。メンタルや心理的側面を排除しなければ、勝ち続けられないとも言えますね。
ただ1つデモトレードには欠点があり、その欠点を克服しなければ、リアルで収益をあげるのは難しいです。その欠点こそ、「リアル感」の欠如です。対策は次のステップです。
▶︎リアル感を身につける
「リアル感」という言葉が主に指すのは、「実際に取引している際の緊張感」「損失や利益に対する喜怒哀楽」「実際のお金に対する真剣さ」「生活の上での感情の起伏」などです。
損失を決済すれば、お金は減ります。
さっきまであった含み益がマイナスに転じたら、それはもう損失です。さっきの利益を決済しておけばお金は増えたのに。。。
お金が関わると、人間の性というのが出てしまうのが現実です。
そのメンタル・心理的側面を排除する。うまく付き合う。そのためには実際のお金を伴うリアルトレードの存在が不可欠です。
ここで皆さんは「でも、少額はダメだし、いきなり実践もダメ、ならどうするの?」と思われているかもしれません。
結論として、デモトレードで手法が固まったあとで、5〜10万円程度の資金をリアル口座で運用すべきだと思います。
この段階で、デモトレードと同じように取引でき、かつ、収益もプラスが安定してきたら、いよいよ本腰のまとまった資金の入金です。
▶︎いよいよ入金
(取引を始めて約1年後)
さあ!待ちに待った入金なわけですが、一体いくら用意すればいいのか?
人それぞれ使える資金や経済状況は異なりますし、一概に、○○円がいいですよ!とは言いづらいです。
ですが、具体的な目安として私が提示するのは、
「自分の所得から逆算して1年で貯められる金額(数十万〜数百万円)」です。
なぜならば、以下の2点を踏まえているからです。
・もし万が一失敗しても、また1年後にリスタートできる。
・入金が年に1回なので少額トレードの罠にははまらない
余剰資金で行うと言っても、どの範囲が余剰資金かわからない時はぜひ参考にしてみてください。
▶︎資金増減は額より%を意識しよう
最後に、デモ/リアルに関わらず資金運用にあたりとても大切な概念をお伝えします。
それは、資金増減は、何円増えたか減ったかより、何%増えたか減ったかで考えること。
よく巷では、「FXで手堅く月収5万」「日給10万超えたぜ」などと金額ばかりが先行していて、つい目を奪われてしまいがちです。当たり前ですが、元手100万円で1万円稼ぐのと、元手10万円で1万円稼ぐのとではわけが違います。前者は+1%の利益に対し、後者は+10%の利益を出さねばなりません。同じ額を稼いでいるのにかかる労力は10倍も異なってくるのです。
本腰を入れたトレードを行う前に、常に何%のリスクをとって、何%のリターンを狙っているのかを明確にした取引手法を確立しておきましょう。
仮に5万円で本腰手前の運用をしているとして、トレードルールを守り、1年で着実に3万円増やすことができたとしたら、これは元手に対し+60%なので、もし本腰で100万円で運用するなら+60%で+60万円の利益が期待できます。
「1年で+3万か。。。」などと金額を考えるのではなく、「1年で+60%か!」と言った感じ。
この何%を増やせるかが、FXにおける最大の醍醐味なのです。
【FXはいくらから始めるべき?】まとめ
どうだったでしょうか?いくらから始めるか。
本記事が、誰しもぶつかるその壁に、一石を投じられたら幸いです。
ただ1つ言えるのは、FXで実際に正しい手順を踏んで、経験を積んでいけば、自ずと勝ち続けるための技術が身についてくることは確からしいということです。
何事もことを成すには時間がかかります。その成長、進化の段階で、余剰資金以上のお金をFXに注ぎ込み、失敗したがために、生活が苦しくなった、FXを辞めざるを得ない状況になった、などという経験は皆さんにして欲しくないと思っています。
当たり前ですが、人生、FXが全てではないです。お金があればできることは増えますが、お金が全てではないです。
日常生活を守りつつ、賢くFXと付き合っていける。そんな人が一人でも増えることを切に願っています。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!