本記事は以下のような悩みをもった方にお勧めです。
・FXをしているとランダムな値動きによく惑わされる
・往復ビンタによく遭う
・ダウ理論やエリオット波動が効いていないとよく感じる
・シンプルな方向性を見極めるのに苦労している
FXは不確実性に満ちたいわゆる「不完全情報ゲーム」です。
将棋やチェスのように全てのコマと情報を掌握することは不可能ですし、一寸先の値動きは未知の世界です。
そんなランダムに満ちた世界で、少しでも真実を見抜けるように本記事では「カオス理論」をテーマに話を進めていきます。
ではさっそく、いってみましょう!
FXのランダムウォーク
ランダムウォークとは簡単にいうと、市場の値動きに規則性がないことをいいます。
ある程度相場経験がある方はもう嫌というほど感じているかもしれませんが、規則的に動いている値動きなんて見たことないと言って良いほどですよね。
「いやいや、規則的な時もあるよ。」
という方もみえると思いますが、マーケットの大部分は効率的であり、ランダムウォークが支配していることは真実です。
金融用語
「効率的」→ランダムで収益性のないこと
「非効率的」→規則的で収益性の見込める状況のこと
現に「規則的」と感じている人でも、その規則的な値動きが自分の利確ポイントまで続いた時なんてほとんどないですよね?
途中で加速して急上昇したり、逆に減速して反転してきたり、、「!?!?」と思う値動きが多いのは事実です。
しかし、そんなマーケットにも少なからず非効率な部分、規則的のような部分が存在するからこそ、勝っている投資家がいるのです。
言ってみれば、その非効率な局面をうまく利用するために、色とりどりの相場分析の方法があるわけです。
ですからランダムウォークが支配する局面をできるだけ取り除いてトレードができるかどうかは、勝ち続けていく上で非常に重要な命題となってきます。でも実際にはランダムでない規則的な部分というのは、後になって気づくことが多いのと、結果論として非効率になっていたという部分が多いのも事実です。
「その中で」です!その中でも、比較的簡単に見方を変えるだけでランダム性をシンプルに見れる方法があると言ったら少し気になりますよね?笑)
それが今回のテーマであるカオス理論とその見極めです。
ではカオス理論とは一体なんなのでしょうか?
カオス理論とは?
カオスとは、物理学的にいうと、ある一定の法則に従っているにも関わらずわずかな動きが増幅され、予測不可能な不規則な動きをする現象のことをいいます。
つまりシンプルに言い換えると、カオス理論が発生する一部分の瞬間を除いたら、全体的にはそこそこ規則的な動きをしているということです。
実際カオスは主に自然界で多く見られています。
例えば、代表的なものに「氷が水になる瞬間」が挙げられます。理科の教科書で習った通りにいくと、氷は0°になると溶け出します。しかし、実際に氷が解ける瞬間には「氷が水になる」というわずかな動きが増幅されて、水が氷になったり氷が水になったりする予測不可能な臨界現象が起こります。
この臨界現象はまさにカオスの典型です。
全体として眺めていると「氷が水になっただけ」と見れますが、一部の瞬間には「水が再度氷になったり、その氷が再度溶けたり」といったカオス的振る舞いをしているのです。
そこで、ただでさえランダムな世界であるFXでも、「カオス」といえる局面、瞬間が存在するのであれば今見えている「ランダムな値動き」も、もしかしたら「方向感のある値動き」かもしれませんよね?!
FXのカオス的動向とは?
ここからが「FXとカオス」のターンです。
FXにおいてカオスを捉える際に意識してほしいのが「方向感」です。
方向感とはその名の通り、ある一定の方向に向かって価格が動いている様子をいいます。方向感が「上」だとか「下」だとか簡単なイメージをもってもらえたらOKです。とにかく、一定の方向を目掛けて動いている状況です。
しかし、ここにカオスが存在するとどういった値動きになるでしょうか?
予想は大体つく方もいると思いますが、大きく上下に乱高下します。そして大切なのが「カオスは一時的」であることです。ある一部分だけは不規則なカオス的動向をしたとしても、また元の方向感に戻り、一定の方向を目指して動きます。
さっきまで方向がずっと上向きだったのに、いきなり下に大きく動いた。
と思ったら今の下方向の動きを無視して今度はまた上昇してきた。
結局、後になってみると途中ノイズのような動きはあるが、しっかり上方向を保ちながら上昇している。
このような動き。
本当によくありますよね。。
ここで多くの人が陥りやすい罠として「往復ビンタ」があります。
往復ビンタは、例えば今テクニカル分析で上方向に仕掛けていたところ、急に下方向に大きく動いたので慌てて損切りすると共に下方向に仕掛け直したところ、再度上昇してまた損切りを喰らうというような状況のことです。
一回の損切りをビンタ一回とカウントして、上下で二回、つまり往復ビンタです。笑)
これを喰らうと大抵場合はメンタルが萎えますよね。
そして実は今回の肝となるカオス理論と往復ビンタはけっこう身近な存在なんです。
テクニカル分析をしていく上でよくある状況がこんな状況。
「今はどう見ても買いなのに、直近で乱高下している値動きがあるからなんか買いでは仕掛けづらい。」
例えばまさにこの記事を買いている今日、そのような値動きがありました。
直近で大きな陰線を形成しており、下方向にも見えなくはないシナリオですよね。
このような時、どういう方向感をもって分析すべきなのか?
ここからは、そのアプローチの仕方を見ていきましょう。
カオスを見極める
カオスにアプローチする際にまずおさえておきたいのが、カオス的動向が多く見られるのはどのような時かということです。
結論からいうと、以下のような時にカオスは発生しやすいです。
カオス出現ポイント
- 経済指標発表時
- 明け方早朝のサーバーメンテナンス時
- 三大市場開始時のディーリングタイム(特にLN)
- 要人発言や政策金利発表時
- リスクオフ材料が急に織り込まれる時
一応の目安として起きやすい順に❶〜❺まで並べてあります。
経済指標時は最も多いと言って間違いないと思います。明け方早朝のメンテナンス時もそこそこ多いです。市場のディーリングタイムというのは、「各市場が開場する前にFX会社や大手金融機関、ヘッジファンドが個人投資家の損切りが溜まってそうな近くのポジションをサクッと損切りに追い込む時間」とイメージしてもらうとわかりやすいです。要人発言や政策金利発表は場数こそ少ないものの、開催された直後はカオス的動向が多く見られます。リスクオフ材料が急に織り込まれる時というのは、V字回復したり、V字になったと思いきや真ん中に戻ってヨコヨコの値動きだったりと、しばしばカオスになります。逆に、リスクオフでカオスにならない値動きというのは、誰が見ても市場のリスク懸念材料があり、暴落が突き進む時なので下手に手を出すべきでない時です。
これでメインのカオス出現ポイントを抑えたので、次はカオスの見極め方とその後のアプローチを見ていきましょう!
まず具体的なカオス的動向の実例を2点最初に挙げておきます。
カオスの実例❶
カオスの実例❷
いかがでしょうか?
カオスを見極めるポイントとして以下の点が挙げられます。
- カオス発生時にボラティリティが拡大する
- 発生直後数時間にカオスを見極めるのは難しい
- その日の引けまでの値動きを見て一定の変化率が見られたら途中の乱高下はカオスの確率が高い
まずご覧の通り、カオス発生時に値動きは急な増幅、拡大を生みます。つまり一時的にボラティリティが大きく増加していることが条件です。
次にカオスが起きた直後に「カオスを見抜くこと」は困難です。直後であれば単に大きな上昇や下落の始まりかもしれませんし、単に乱高下だけで終わる確率も高いからです。
ではいつカオスを見極めるかというと、主に日足が形成された早朝です。その日の値動きを俯瞰してみて、一時的に値動きが乱高下している部分はあるけれど、その一部を除いたらしっかり方向感のある動きをしているなと思ったらカオスの確率が高いです。
以上がカオスの見極めとなります。
そしてカオス的動向が発生する堅調な値動きというのは、経験上トレンドの始まり、エリオット波動でいう推進波の第1波であることが多いです。
つまり、トレンドフォローのトレーダーにとっては究極の収益化局面ですよね!第3波が狙えるので!
ここをうまくアプローチしていくことで、カオス的動向の際に収益を最大化することが可能となります。
ぜひトライしてみてください!
まとめ
ただでさえ「ランダム」「不確実性」という看板が目立つFXですが、中にはそのランダムを逆手にとれるカオスが存在することを本記事で掘り進めてきました。
私自身もまだまだ手探りで改善を重ねている最中で、さらに磨きをかけていく上でこのカオス理論というのはかなり分析においては重要な項目の一つだと思います。
皆さんが本記事を参考にFXのランダム性を少しでも排除した、非効率の世界を見極められるよう陰ながら応援しています。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。