情報判断で迷いやすい人はこれを見て!!【FXにおける認知バイアスを克服する❸】

FXにおける【認知バイアス】を制覇するシリーズの❸です。

認知バイアスというのは具体的には人間の本質的な心理状態から生じる、認識の歪みのことです。

認知バイアスを制御したからといって勝てるようになるわけではないですが、無駄な負けを減らす上ではとても重要なものです。

本記事は以下のような悩みを抱えている人に有効です。

・情報が多すぎてどれを軸に判断すればいいかわからない、、

・大多数が賛成の意見を見ると正しく思えてしまう

・後々振り返ると関係のない情報に多く触れていると思うことが多い

自分を客観視することで見えてくるのが認知バイアス。その存在を知っておくだけでも効果はありますし、常に頭の片隅で意識しておくことで正常な判断をしやすくなります。

ではさっそく見ていきましょう!

目次

情報判断で大切なこと

昨今の現代社会は情報に溢れかえっています。

数値で比較してみると、現代人が一日で接する情報量は「平安時代の人々の一生分」、「江戸時代の人々の一年分」とも言われています。そして生まれてくる情報の約90%は直近2年間のうちに作られたものだそうです。

逆に考えると、現代人が今後数年間にわたって大切な情報は全体の10%に満たないということが推測できますし、「なるほど確かにな!」とわかりみが深い割合ですよね。

ここで質問です。

その10%を選ぶために皆さんは何を大切に情報判断をしていますか?

意識してみると案外曖昧なものですよね。、

私自身が大切にしているポイントは以下3つです。

  • 情報の仕入れ方を決める
  • 判断の基準をもつ
  • 使える情報は何か?という視点をもつ

情報の仕入れ方

まずは情報の仕入れ方を決めることが先決なのですが、上の❶〜❸は三位一体なので仕入れ方を後から見直すという必要も出てくることを念頭において聞いてください。

皆さんも無意識のうちにイメージしていると思いますが、仕入れるにあたって大切なのは【情報の信用度】ですよね。その情報が信用に足るか足らないか。それがわかれば誰しもスッキリします。

そこで情報の信用度を確かめる方法として私が行っているのは2点です。

情報の信用度

一次情報(情報源=ソース)の信用性をみる。

類似情報の多さから辿る。

一次情報というのは情報を提供している元のことです。第三者から風の便りに乗って流れてきた情報では、途中で話が二転三転していることが多いので気をつけましょう。

一次情報がその分野において精通している組織によるものなのか?はたまた、ここ数年のうちに生まれた若い情報なのか?という点でもどちらが信用に足るかは瞭然ですよね。もちろんその分野の歴史が長い方が、慣性を考えてみても信用できます。

では一次情報が正しければその情報が常に真であるか?

というと案外そうでもないことに気づきます。

その一次情報が信用でできていることから考えると、信用の方程式として「歳月×人の数」が考えられるからです。どれだけ歴史があったとしても、ある時点で否とする人の数が大多数を占めれば歴史が覆る瞬間があるからです。

なので安易に一次情報を信用するだけでなく、その時点で一次情報が真だと判断する人がそこそこ存在することが大切になってきます。

ですがこの逆で、ただ大多数の人が賛成しているからといってその情報を真とすることは避けた方が良さそうです。この理由は後から紹介する【バンドワゴン効果】という認知バイアスが発生しているからです。

判断の【基準】をもつ

判断の基準を決めておくことも重要です。

例えばFXならば経済指標やニュースについて情報収集する時、何を基準に情報の取捨選択をしていくかはとても肝心ですよね?

指標であるならば「今日の結果」を基準とするのか、「三ヶ月前の結果」を基準にするのかでも見え方や解釈の仕方はずいぶん変わります。

普段の何気ない情報収集でも何を基準としてその情報の良し悪しを決めているのか。

これがはっきりしていないと、継続的に一貫性のある視点、再現性のある情報を収集しにくくなるため、FXをしていく上で不利になってしまいます。

ですがここで朗報です。

後々、ファンダメンタル関連の記事でも解説する予定ですが、FXにおける情報収集において基準とすべきものは概ね一つに絞られます。再度言いますが、一つです。

その一つは何かというと、【金利】です。

FXは取り扱う投資商品が【通貨】であるため、当たり前と言えば当たり前なのですが、けっこう金利を基準とした情報収集ができていない方も多いと思います。私自身も金利基準の情報収集をするまでに1年以上はかかったのが事実です。

まずは今の金利はどういう状態なのか?

次に金利はどう動くのだろうか?

そしたら目先の経済指標の結果はどういった意味を持つのか?

この辺りを現在のチャートの値動き、トレンドと照らし合わせながら情報収集してみてください。

かなり視点はクリアになるはずです。

使える情報は何か?

使える情報は何か?

最後の項目ですが、これが本当に大切で、その名の通り実用的な視点です。

そもそも【情報】は何のためにあるのか?

というと、情報を得て次の行動に移すためです。

行動に移すために情報を得るのであれば、情報を得る際に使えそうな情報なのか、使えない情報なのかを判別することは非常に大切です。

そして最後は使える情報の中から、行動に移すための基準を定める。

まとめると、情報に触れてから以下のような流れを作ることが情報を活かした行動を取るためには不可欠となってきます。

STEP
情報を得る
STEP
使える情報を見極める
STEP
使える情報から行動の基準を作り、一貫した行動をとる

そしてこの3ステップを経て、行動をとり続けた先に望んでいない結果が待ち受けているのであれば潔くふり出しに戻りましょう。

冒頭でもお話ししたように、再度、情報の仕入れ方から決め直すのです。

ここでサンクコストにかかって、もったいないと感じるようならばまだ先は長いです。

サンクコストについてはこちらを参照くださいサンクコストバイアスとは?【FXにおける認知バイアスを克服する❷】

さて、ここまでは情報判断で大切なことについて深掘りしてきました。

ここからは主に情報収集の際にかかりやすい認知バイアスについて解説していきます。

ぜひ最後まで読破してみてください!

【ハロー効果】

一つ目のバイアスは【ハロー効果】と言われるものです。

ハロー効果とはある特定のものに対する評価や認識が、まったく因果関係を持たないものへの評価や認識に影響してしまうバイアスのことです。

実はこれも人間の本能に基づいたものなんです。

元来、人間は少ない情報量から推測して危険を察知する狩猟採集社会から始まりました。その進化の過程でも、少ない情報量で脳の隙間を埋めようとする働きが残ってきたわけです。別にこのこと自体は決して不具合などではなく、むしろ曖昧な現実を手探りで行動して生きていく上では「経験」というとても重要な役割を果たしてくれています。

しかし、昨今の現代社会において情報収集をする上では「情報が少ない」ということはあまり存在しなくなっているため、何か物事を成し遂げようとするときに、かえって不利な働きをしてしまうこともあるのです。

例えば、よくあるTVのCMでもすごく人気のある有名人が出ていたりすると、有名人とそのCMの商品の間には有効な因果関係は存在しないのに、なぜかその商品がよく見えてしまいますよね?

これがハロー効果と言われる認識の歪みなのです。

FXにおいてもすごく有名なトレーダーが「ドル円は買いだ!」と言っていると、あたかも「ドル円は買い」のように思えてしまいます。全然関係ないニュースを拾ってきては「これが起因して今日はリスクオフムードになるんじゃないか?」と思うこともしばしばです。

ハロー効果への対策は至ってシンプルです。

それは常に因果関係を意識すること。

論理的に物事を見る視点を一定数もっておくこととも言えます。

これにより、関係のない物事を無尽蔵に組み合わせるということは起こりにくくなると思います。

まずは次のTV CMから試してみてください。笑)

【バンドワゴン効果】

二つ目のバイアスは【バンドワゴン効果】と言われるものです。

簡単にいうと、大勢の人が選択している判断は個人の判断よりも正確であると認識してしまうバイアスです。

よくあることですよね。

これだけ大勢の人が選択しているのだから、いいものなんだろうと。

でもバイアスとはいいますが、実際のところ実生活の中ではそれが真実なことも多々あると私は思います。1人の人が美味いというラーメンよりも、100人が美味しいというラーメンの方が美味しそうですよね。

ただし、FXの情報判断をしていく上ではバンドワゴン効果にかかっている限り勝てません。大勢の意見が正しいという解釈はしばしば過ちを犯します。

それはなぜか?

答えは単純で、FXで勝てている人口の方が勝てない人口よりも圧倒的に少ないからです。

勝てていない人の目線をどう重ねて解釈したところで、勝利には繋がっていません。

では一体どうやって、バンドワゴンを制覇するのか?

というと、自分の基準を作ることで対処できます。

基準という一言だけでは抽象的ですが、この基準は情報収集やトレード手法、取引のルールなど、FXを行っていく上での行動判断すべてを自分軸で行う必要のことを指します。

よくある勘違いとしては、「大衆の逆を行けば良いんじゃないか?」というものです。

大勢が勝てていないのであれば、大勢の逆をすれば勝てる?と私も最初の頃は思っていましたが、この件については大勢がどうこうの問題ではなく、自分軸のトレードを保つ大切さを身に刻んだことで解消しました。

大勢の意見と言っても、何を基準に大勢と判断するのかが曖昧ですし、大勢にだって勝つときは多く存在します。ひょっとしたら大勢の中に真の実力派が紛れ込んでいる可能性だってあります。

ただ事実として「大勢が勝てていない」という現実がある。そのカラクリを紐解いていくと、勝てることと方向を当てられるということは全く関係のない別物だという真実に行き着きます。この辺りはまた別記事で解説します。

ですから大衆の逆をいくら行こうが、本質的な自分軸のトレードが曖昧である以上は勝てません。

話の溝から戻りましょう。まとめると、

大勢の判断を正しいと思えてしまうバンドワゴン効果。

対策としては自分の基準を作ることでどうとでも対処できます。

こちらもシンプルですが、少し確立までには時間がかかるかもしれません。

頑張ってください!

FXにおける情報の【要・不要】

認知バイアス2つの解説が終わりました。ここからはFXについて必要な情報はどんなものがあるのか、また不要な情報とはいったい何なのかという視点で代表的なものを取り上げつつ見ていきたいと思います。

ニュースは【不要】

第一に【不要】な情報の代表格は「ニュース」です。

まず大前提として「事実は利益にならない」ことを覚えておいてください。ニュースとして取り上げられている事柄は、すでに過去の話です。事が起きてからそれをメディアが書き起こし、報道するまでには一定の時間を要しますよね。その一定の時間のうちに、投資全般のマーケットはそのニュースについて消化しきってしまっています。その消化されたニュースを見て、いくら戦略を練っても、そのニュースの賞味期限は切れてしまっているのです。

ですがこの原理を逆手にとって、ニュースを「出口戦略」として用いる方法は存在します。

Buy the rumor, sell the fact./Sell the rumor, buy the fact.

噂で買って、事実で売れ。/噂で売って、事実で買え。

なんてよく言ったりします。

例えば、1週間後に開催されるFOMCでアメリカの政策金利が引き上げられる観測が強かったとします。この時、米国金利引き上げはドル買い材料なので、ドル買いで仕掛けようと思っていたAさんはチャートを見て、「FOMCでドル買いトレンドになるはずだから、今ドル買いトレンドに乗るのは早すぎるかな。。少し待とう。」と思ったとします。しかし、実際にFOMCが開催されると、今までの上昇トレンドが一気に転落して下降トレンド気味になってしまい、押し目を拾おうとしたAさんは損切りになってしまいました。

これは典型ですが、何が起こっているかというと、投資家たちは金利が引き上げられるという「観測」や「認識」でFOMC前にドル買いを仕掛けていたそして、いざ金利が引き上げられるとこれ以上の金利引き上げはないだろうと思い、ドル買いポジションを決済したのです。

このように「噂」の段階、言ってみれば「観測」や「認識」の段階でポジションを仕込み、「事実」になった時点で手仕舞いをするという出口戦略でのニュースの活用例はそこそこ需要があります。

しかし、冒頭でお話ししたように、ニュースをみて仕掛けるという意味ではニュースは一切効力を持ちません。ニュースとなることで、その一連の物事は過去のものとして記録に残り、賞味期限が切れると考えるとわかりやすいかもしれませんね。

テクニカル情報は【要】

ニュースの次にお話ししておきたいのがこの「テクニカル情報」。

語尾に「情報」と付けていたりしますが、要はテクニカル分析のことです。ただ、ニュースと比較して取り上げるためにここでは情報と付けておきます。

では、テクニカル情報がなぜ【要】なのか?

というと、テクニカル情報がFXを行う上で「最も早い」情報だからです。

チャートの値動きは、全てのニュースや憶測を織り込んで動いていることから「マーケットは生き物だ」とよく比喩されます。本当にその通りで、ニュースが記者会見のようなものだとすれば、テクニカル情報は事件現場そのものです。

かつての映画の名台詞であるように、、

事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!!

踊る大捜査線 THE MOVIE

私も映画のことは詳しく知りませんが、この言葉はほんとによく聞きますよね。笑)

マーケットのリアルな情報についていかないと、もちろん利益をあげることは困難を極めます。

そのリアルな現場にたどり着ける唯一の手段が「テクニカル分析」だということを覚えておいてください。

テクニカルでチャートを見ていると、値動きから事件の規模感をある程度得られます。そして、リアルタイムでわかるため、TVのニュース等を見ると、「あれ、これ3日前のニュースだな」と思うこともしばしばです。そのニュースの具体性を知るために、私が使っていて最も早いと思った情報媒体は「Twitter」です。色々と投資関連のニュースアカウントや投資家をフォローしていると、数分単位でニュースの具体性が伝わってくるのでおすすめです。しかし、ここでもこの時点で事件発生から、「数分」は経過しているので、やはりリアルタイムで事件発生がわかるのはテクニカルの一択です。

まとめ

これで認知バイアスシリーズの❸は終わりです。

いかがだったでしょうか?

有り余る情報社会で大切なのは圧倒的に「取捨選択」です。

何が自分にとって【要】であり【不要】であるか。

そしてその判断に基づいて行動していった先に望まない結果があるのであれば、元の【要・不要】を再定義する柔軟性も必要です。

まずは手探りでいいので、色々な情報を参考にしながら一歩ずつ着実に、自分の判断軸を固めていってください。

そして時に立ち止まって、軌道修正しながら歩いていけばいいのです。

最後まで読んでくださってありがとうございました!

本記事が皆さんのFXライフにおける情報との付き合い方に一矢報いることができれば幸いです。

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この記事を書いた人

FX歴5年目の現役FXトレーダー。10000時間以上相場と向き合った経験と知識を発信中。FXで生き残るためのインプットがこのサイト1本で完結するような、“勝ち組の終着点(=ターミナル)”を完成させることを信念としている。

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