結論からいきます。FXで勝ち続けたいならまずここを理解して使いこなせていないと不可能です。
大数の法則。ここです。
聞いたことある方も、記憶の片隅にある方も、FXの世界に住んでいるならぜひとも呼び起こしてください。
しかしながら、この記事を読んでいる方は曖昧な雲の上を漂っている方が多いと思います。ので、本記事で徹底的にマスターして使いこなせるようにがんばりましょう!
本記事は以下のような方にお勧めです。
・大数の法則と初対面の方
・大数の法則を使いこなせていない方
・FXで勝てない迷宮から抜け出せない方
・長期になると結局資産を残せない方
・FXは「無理ゲー」だと一度諦めてしまった方
「FXはギャンブルではありません。無理ゲーでもありません。しっかり勉強して研鑽を積めば必ず勝てるようになります。」
そんなセリフを地中奥深くから支えてくれている、コアとなるのがこの【大数の法則】です。
ではさっそく進めていきましょう。
大数の法則とは何か。
大数の法則を簡単に表すと以下の通りです。
とある試行を何回も繰り返すと、確率が一定の値に近づくという法則のこと。
イメージしやすい例を挙げると、サイコロやコイントスがあります。確率が計算しやすいのでコイントスを例に見ていきましょう。「表」が出る確率は1/2で「裏」が出る確率も1/2です。ですが10回コイントスをしても5回ずつ表と裏が出るとは限りません。100回コイントスしても表-裏が50回-50回ではないかもしれませんし、10000回コイントスしても5000回-5000回とは限りません。しかし、確率を計算していくと多少のブレはあるにしろ、試行回数の母数が大きくなっていくにつれ表と裏の確率は限りなく1/2[=50%]に近づいていきます。以下の図のようなイメージです。
試行回数 | 表の回数 | 裏の回数 | 確率%[表・裏] |
10回 | 3 | 7 | [30%・70%] |
100回 | 45 | 55 | [45%・55%] |
10000回 | 4950 | 5050 | [49.5%・50.5%] |
10回よりも100回、100回よりも10000回の時の方がトータルで確率は50%に近づいていますよね。
これが大数の法則の最も重要なポイントで、試行回数を増やせば増やすほど、理論的な確率に近づいていく。
FXのトレードでいうならば、トレード回数を増やせば増やすほど本来の検証で得た勝率や期待値に近づいていくということです。
母数が増えるほど確率のブレとして生じた回数は全体としては小さなものとなり、本来の確率に収束していきます。
FXと【大数の法則】の関係
では、FXと大数の法則にはどのような関係があるのでしょうか?
先の見出しで少し触れたように、具体的に関係するのは【勝率】と【期待値】の2つです。
勝率は検証結果から大体の推測はできますが、その手法本来の勝てる確率を割り出すには母数となる試行回数(トレード回数)が約1000回あると確実です。大体の検討というのは検証を100回くらい行えば、「あ、この手法は勝率50%だな」などの検討がつきます。ですが、なぜ100回では足りないのか?それは「ドローダウンへの対処」が困難であるからです。ドローダウンとは、自分の資産が大きく目減りする期間のことで大抵のトレーダーはほとんどがドローダウンへの対処不足で、相場の世界からの退場を余儀なくされています。100回程度の検証では「上手くいく時」と「上手くいかない時」の分別くらいしかできません。ドローダウンへの対処として私たちトレーダーは「上手くいかない時の中で、さらに上手くいかなかった時への対処」強いては「過去一度も起こり得なかった確率の入口」くらいまでは対処できるように備えておかねばなりません。そうでないと「未曾有の事態」が起きた際に生き残れないです。
期待値についても同様です。検証結果からある程度のトレードを行なった時点でどれくらいの利益が期待できるかがわかりますが、あくまで大雑把な結論しか得られないです。それを確実に近づけるために約1000回のトレード検証は必要となってきます。
検証を1000回行うことについて論点が集中しましたが、大数の法則はこの過程から息をしています。
「検証を100回より1000回のほうがより精度の高いトレード結果を期待できる。」
これは前の見出しで取り上げた「コイントスの確率」そのものですよね。
10回よりも100回。100回よりも1000回。1000回よりも10000回。
試行回数=トレード回数が多ければ多いほど、本来の確率に、本来の数字に帰着します。
しかし、現実的により確実を求めるのはいいけれど、検証を10000回まで行える時間はなかなか取りづらいと思いますし、できるならばそこまでの確実を求めずとも、「おおよそ9割型の確実」で実践に移りたいですよね。そのためにあまりイレギュラーなドローダウンがこれ以上存在せず、実践的な検証回数が1000回なのです。
さて、ここまでFXの中の大数の法則についてお話ししてきましたが、ここからが肝心なところ。
大数の法則を「知る」から「使える」に。
これができなければ意味がありませんよね。
次の見出しからは使いこなすための秘訣を解説していきます。
【大数の法則】を使いこなすために。。
「大数の法則で確率が収束するのはわかったけど、実際にどう使いこなすの?」
この疑問を払拭するのが本記事の最終目標です。
結論から言うと以下の2点を守ることができれば、大数の法則を上手く使いこなすことができます。
勝率は50%なくていい。
期待値(RR)を明確に上げる。
まず勝率についてですが、なぜ50%なくて良いのか?
これは「マーケットの不確実性」について深く理解をすると見えてきます。たしかに世の中には勝率60%も70%も事実として存在しますが、基本的に勝率と期待値(RR)は反比例するものです。
「勝率が上がる=RRが下がる」
「勝率が下がる=RRが上がる」
勝率が高いと、よくある「コツコツドカン」で負けが大きくなってしまい増えにくいトレードが横行してしまいます。だからといってRRを極端に高くしてしまうと全然勝てなくて損切り貧乏になってしまいます。
まず大前提として心に刻んでおいて欲しいのは、「相場は予測困難」であることです。先の未来で起こることはわからない。この姿勢が基本的に正しく、相場に対して忠実です。この「わからない」という現象を確率に置き換えると、いくつになるでしょうか?ピンとくる方はすぐにわかると思います。そうです。「わからない=50%」が基本中の基本なのでここをまずスタートラインとして相場を考えるようにしましょう。
期待値のRRは1:1で勝率は50%。これがランダムな相場のスタートラインです。損益分岐点はここです。
そして、検証していく上で期待値を上げるにはどうすれば良いのか?
結論から言うとこれも必然的に答えは一つに絞られます。が、少し難しいのでここで一旦立ち止まって考えてみてください。。。
//・・・・Thinking Time・・・・//
何かアイデアが浮かんできた方もそうでない方も結論は以下の通りです。
期待値を上げるには、上位足の動きに乗るしかない。
答えは上位足です。皆さん聞いたことがある【マルチタイムフレーム分析】略して【MTF分析】を使うしか方法はありません。断言します。期待値はMTF分析なしには困難を極めます。ほぼ不可能に近いです。
ですが、MTF分析をうまく使いこなすことができれば期待値を上げることの難易度はグッと下がります。
(MTF分析を使いこなすための記事はまた後ほど載せます。)
以下に簡単な期待値と確率の例を上げるので、損益分岐点や求めるべき期待値の参考にしてみてください。
今現在の価格から上か下に抜ける確率は50%。
H4レベルで上か下かが50%でエントリーポイント。
H1レベルでも上か下かが50%でエントリーポイント。
この状況の時に考えられる組み合わせは「H4:H1=上:上」「H4:H1=上:下」「H4:H1=下:上」「H4:H1=下:下」の4通り。
この4つのうちで向きが揃っている「H4:H1=上:上」「H4:H1=下:下」の2つが期待値の上げどころになる。
実際のエントリーの際にはH4でエントリーポイントを見つけてから、さらにH1でエントリーポイントを探し、H1基準でタイミングを見てエントリーを行うこと。これによって、H1のスケール(値幅)でH4のスケールの値幅を取りにいくことが可能になるので結果として期待値が上がる。
最終的には50%で収束させるのは難しいとしても、RR2〜3程度なら30〜40%の勝率に収束させることができれば十分に利益を残せるトレードの完成ですよね。もちろん上位の動きがさらに伸びそうであったりした場合には、もっと大きなRRを期待できると思います。
少し長くなってしまったので再度まとめます。
大数の法則を使いこなすには、、、
① MTF分析を用いて期待値(RR)を上げる。
② 勝率は50%なくていい。
以上2点を意識しながら手法開発に取り組むことができれば、きっと大数の法則は皆さんの味方をしてくれるはずです。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
本記事が皆さんのFXライフの突破口となれれば幸いです。