FXの資金管理において、トレード毎の損益を【%】で管理するのは王道ですよね。
しかしながら、この「%で資金管理」は実はうまく利用できないととんでもない罠に陥ってしまうのです。
これを聞いて「あ〜あのことだよね!」とならない方はぜひ本記事の一読をお勧めします!
本記事は以下のような人にお勧めです!
・資金管理をこれから身につける人
・【%】で資金管理をしている人
・勝率は良いのにいまいち利益が増えていかない人
ではさっそく進めていきますね。
勝率50%で減り続ける資金??
勝率50%と聞くと勝ったり負けたりしながらも結局はトントン。か、もしくは少し手数料分だけ減るんじゃないか?といったイメージがすごく強いですよね。
しかし、事実として、勝率50%で勝ち負け同じpipsをとっていても資金はどんどん減っていきます。
なぜそうなってしまうのか?
今回はメンタルとか手法の話ではありません。
資金管理です。巷でよく聞く、「運用資金は%で管理しましょう!」が今回のメインテーマです。
結論からいうと、%で無策に資金管理していると資金は減ります。どんどん減ります。
以下の表にその実例を載せておきます。
上下とも5回ずつ勝ったり負けたりしているのに、10戦後にしっかりと減っていますよね。。
ですが、%でしか得ることのできない大きな武器もあります。
それは皆さんご存知の通り、複利です。
複利は人類最大の武器でもありますよね。
あの伝説の投資家、ウォーレン・バフェットですら「スノーボール戦略」と名付けて複利を利用しまくっています。
そんな複利の恩恵を授かりたいのは、投資家誰しもの願いです。が、ことFXにおいては特に明確な戦略をもって複利を利用しないと、恩恵どころか複利に牙を剥かれることになります。
では実際に、複利におけるメリット、デメリットを見ていきましょう。
【%】で管理するメリット
- 増えていくときに増やしやすい(連勝すると大きく増やせる)
- 減るときに減りにくい(連敗すると減りにくい)
- 毎回同じ%で増減するので管理しやすい
まず最大のメリットとしてあげられるのは、連勝時、連敗時の資金増減について有利な点です。
連勝時は、1回勝って増えた資金に対して%でロットを調整し直すので2回目の勝ちでさらに大きく利益を確定することができます。連敗時にはその逆で、1回負けた資金に対して%でロットを調整し直すので2回目の負けでは1回目よりも小さく損失を抑えることが可能です。
要するに皆さんがイメージしている複利の恩恵そのものですよね。
そして最後に一つ大きなメリットとして、毎回同じ%で資金が増減するので、変にメンタルがブレたりせず安定した資金管理でトレードを継続することができます。これはpips等で資金管理をしていると起こる「前回は大きく取れたけど今回は少ししか勝てなかった」「最近は相場が閑散としているからなかなか動かず利益が出ない」「先週積み上げたpipsを今回の負けで吐き出してしまった」、、、等のトラブルを回避できるので大きな利点の一つです。
「安定」をどこにおくか。はFXをしていく上で非常に重要です。
核心を突くと、資金管理が安定していないトレーダーで成功している人は皆無です。ですからここを安定させるために、「%での資金管理」は画期的でシンプルで有効な手段だと初めたての頃は誰しも思うと思います。
しかし、今からあげるデメリットに対応していなければ、「%で資金管理」は諸刃の剣となってしまいます。
【%】で管理するデメリット
- 勝った後に負けると大きく資産が減る
- 負けた後に勝つと増えにくい
- ランダムな資金増減に弱い
確かにそうだよなと思う方も、そうでない方も一旦ここで立ち止まって考えてみてください。
よくイメージされているのは一つ目の「勝った後に負けるパターン」です。もちろんその通りで、勝った後の資金に対して%で負けるので大きく減りますよね。そして見落としがちなのが2つ目の「負けた後に勝つパターン」です。負けて少なくなった資金に対して%で勝つので本来なら増えていた分(=単利計算のとき)よりも増えなくなります。
以上の2つが起こるとせっかく複利で計算していても、同じ勝敗を繰り返しても、単利より損をしてしまいます。
そしてここからが超重要なポイントです。
現実的に起こりうるのは連勝、連敗よりも勝ったり負けたりを交互に繰り返すランダムな資金増減が多いことです。
やや贔屓目にみて複利で有利な期間(連勝、連敗)が半分、複利が不利な期間(ランダムな資金増減)が半分あったとしても資金管理が有利に働かないことが問題です。
勝った後に負けるたび、負けた後に勝つたびに損をしてしまう。
これが本記事で最もお伝えしたい「%で資金管理する罠」の正体です。
実感として掴みにくい方もいるかもしれませんが、実際にFXのチャートをイメージしてみてください。自分の資金増減もチャートのようなもので、増える、減るを繰り返しながら徐々に増えていくものです。レンジの方がトレンドよりも多いのですよね。闇雲に%で資金管理していると、このレンジの期間は実際の勝ち負けとは別で、資金管理が不利に働き、自分の資金を減らしていってしまうのです。恐ろしいですよね。。
【%】で資金管理は使えないのか?
では、%で資金管理は実際のところ使えないのではないか?
と言われると答えはNOです。ちゃんと「対策」をしていれば非常に大きな武器になります。
その「対策」とは何か。
一旦前の見出しのデメリットに戻って考えてみましょう。
- 勝った後に負けると大きく資産が減る
- 負けた後に勝つと増えにくい
- ランダムな資金増減に弱い
この3つですよね、、、性質として人為的に対応できるのは上2つです。
ヒントとしては「どちらか片方を削る。」に尽きます。
鋭いセンスをお持ちの方はお分かりかと思いますが、そうです。
2つ目の「負けた後に勝つと増えにくい❷」。これを無くすことこそが複利運用の大きな鍵となります。
具体的な方法としては以下の通りです。
- 勝った時に複利運用をするため、ロットを計算しなおす。
- 負けた時に複利運用のデメリット❷を無くすためロットを計算しなおさない。=負けた時はそのままの資金管理
外観としては勝っているときは複利運用を、負けている時は単利運用をしていることになります。
これを行うことで複利における負けた後に勝つパターンのデメリットを払拭できるのです。その上で増えていく時はしっかり複利のメリットを活かし切ることができます。最強ですよね!!
しかし、この運用方法のデメリットとして常に資金管理に余剰分の利益が含まれていないことが挙げられます。どういうことかというと、単純に、常に現時点が100%の資金。そこから増えるなり、減るなりを繰り返すことになります。なので適当なトレードで仮に50%のドローダウンを招いてしまうと、資金増減の最大値から半分の資金に落ち込んでしまいます。
そのため減っていく局面を一見すると、連敗に対応した複利運用はいいなあと思うかもしれませんが以上で述べてきたようにこれは罠です。減らさない工夫をしているようで、見えないところ(ランダムな増減)で減っている。この事実を見落としているのです。そして投資全般はリスクリターンが表裏一体というように、減らない仕組みを組み入れているならば、どこかで必ず増えない仕組みが反動的に働いているものです。この増えない仕組みを払拭することで、複利本来の増加エネルギーを活かし切ることができます。
ただここまで話を聞いてもどうしてもちょっと怖い。リスクが大きいかも?と思う方はいると思います。そんな方のためにもう一歩調整を効かせた、ややマイルドな複利運用の方法もありますが、今回は長くなってしまったので別記事で紹介したいと思います。
まとめ
はい!以上で%の資金管理のコツを掴めたと思います。
終盤で述べたように投資の世界は、基本的にほぼほぼ何をとってもリスクとリターンは表裏一体です。もしくは業者を挟むことでややリスクの方が大きくなっていたりします。
リスクよりもリターンを先に考える人はFXならば今月、来月のうちには破綻するでしょう。
リターンよりもリスクを先に考える癖がついている人は堅実に運用を続けていけると思いますが、1年後になんか思ったより増えていない。。と違和感を感じるかもしれません。そんな時は守りで固めたルールを見直し、どこかに利益を大きく阻害している余分な守りがないか、点検してみると良いかもしれません。ただし実践は必ず、検証、立証作業を挟んでから行いましょう。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
本記事が皆さんの資金管理の後押しをできれば幸いです。