みなさんは自分の手法の【長所】と【短所】、なんだかパッと答えられますか?
これが即答できなければ本記事はかなり役に立ちます。
即答できたとしても、長所短所をうまく乗り越える術を会得していないならば本記事は大きな指針になることでしょう。
いずれにせよ、予測困難な相場に対して避けることのできない「アレ」について今回は徹底解剖していくのでぜひ最後まで読んでいただいて後悔はないと思います。
本記事は以下のような方にお勧めです。
・FXを始めて間もない方
・なんか最近は負けることが多いと感じる方
・最近に限らず負け続けている方
・手法の長所短所が曖昧な方
・手法の長所短所を活かしきれていない方
何事にも長所短所はありますが、FXはここを正しく理解していないと生き残れないゲームです。
ではさっそく見ていきましょう!
リターンリバーサルの理解
投資の世界には【リターンリバーサル】という言葉があります。
聞いたことある方もいるかもしれませんが、簡単にいうと投資の上手くいかない期間のことです。
まず初めに抑えておかなければならないのは、投資は必ず上手くいかない期間が存在するということ。必ずです。ただここで誤解しがちで捉え難いのは、上手くいく期間と上手くいかない期間があらかじめ把握できないという真実です。上手くいかない期間が1週間かもしれませんし、1ヶ月かもしれませんし、1年かもしれません。そして、今回上手くいかない期間が1週間であったとしても、次回の上手くいかない期間は1週間とは限りません。2ヶ月かもしれませんし、1年以上かもしれません。
もうここでお分かりかと思いますが、大前提として
投資は稼ごうと思った時に稼げるものではありません。
今日稼ぎたい、今月稼ぎたい、今年は大勝ちしたい。
なら、素直に働いてお金を稼いでください。
そちらの方が理に叶っている稼ぎ方です。上手くいくいかないが自分で決められないのが投資。ここをまず抑えておきましょう。
話を戻しますが、投資が上手くいかない期間がある。それはわかったけど、結局なんなの?という方がいると思うので以下の図を見ていきましょう。
最初の数ヶ月、数年は上手くいっており一見すると天才肌のトレーダーかと思ったら、、数年後には資産が大きく減ってしまい、結局は大したことない負けトレーダーだった。。
この図からの収穫の一つは「詐欺にかかりにくくなること」です。よく巷には短期間で莫大な収益を上げているトレーダーをちらほら見かけますが、あれは左側の上手くいく期間を載せているだけで、実際には右側の上手くいかない期間も同等に存在していることを忘れてはいけません。勝って負けてを繰り返し、利益を残すのが本物のトレーダー。投資家の資質なんてものは長期で見てみないとわからないものですよね。
では一番の収穫は何かというと、以下の通りです。
リターンリバーサルを知ることで、
自分の手法の【長所】と【短所】を深く理解できること。
そのまんまかもしれませんが、【トレーダーに上手くいくいかないがある】=【全ての手法に長所短所がある】ということです。
トレンドに強い手法ならばレンジには弱いですし、その逆も然りで、上手くいく長所のみ兼ね備えた手法なんて存在しません。世間ではよく「聖杯」といったりしますよね。百発百中なんてないのです。
手法を作る際に一番強くイメージして欲しいのは、【どういう相場で上手くいき、どういう相場で上手くいかないのか】。この2つを優劣なく平等に強くイメージして頭の中で描いてみてください。「トレンドでガンガン収益を伸ばせる」イメージを長所としてもったならば、それはきっと、ガンガン伸びる以外のすべての相場で不利に働く手法です。「レンジでコツコツ稼げる」イメージならば、きっと大きなトレンド一回に弱い手法です。
大切なのは、自分の考えやイメージを、一歩下がって、一つ上の視点から平等に評価することです。
では、手法を作る際に行うイメージトレーニングで、長所と短所をどのように描けば良いのか?
ここからはそのイメージを明確に頭の中からつまみ出していきましょう。
【上手くいく期間】の在るべき形
上手くいく期間、つまり収支がプラスであるこの期間に目指すべきトレード像は以下の通りです。
❶ブレの少ない収益幅
❷安定した再現性の確保
❸単勝の利益で損失をカバーしつつ、連勝で資産が増えるイメージ
❹RRを高く設定しすぎない(強欲を防ぐ)
❺終始、一貫性をもったトレードの継続
まずは❶と❷について。一言でまとめると再現性が高く期待リターンがほぼ一定のトレードをすること。なぜこれらがまず重要かというと、安定して長期で勝ち続けるために必須だからです。いくら勝てていても勝ちトレードの収益にブレがあると損失をカバーしきれなくなってしまいますし、再現性が低い勝ちトレードを繰り返していては資金管理や将来的な資産曲線の目処が立ちません。。
❸については長期で資産が増えていく際の【資産が増えたタイミング】のイメージを強くもっておいて欲しいためです。どうしても普段トレードをしていると、一回の勝ち負けに翻弄されがちでたった一回の勝ちでその利益の分だけ資産が増えた気になりますが、実際はそうではありません。その後に必ず負けは訪れますし、下手すれば今までの自己資産最安値を割り込む可能性だってあるかもしれないですよね。そこで【資産が増えた!】という実感が現実味を帯びるのは【連勝した時】と印象付けておくと、単勝に一喜一憂せず、連勝で着実に資産が増えているなという実感が持てるはずです。
❹は本当に大切なことです。トレードは欲をかくと破産します。確実です。(笑)よく言われることですが、ここまで伸ばそうと思ったらその少し手前で手を引いておき、確実に利益を残しておくことが本当に大切です。利確の目安についてはこちらの記事を制覇しておいてください。
❺は勝ち続けるための最重要項目です。一貫性を保つ。簡単のようで究極に難しく思えたりもしますが、やることはシンプルです。自分の取引ルールを初志貫徹する。こちらについてもこの記事で詳しく解説しています。
【上手くいかない期間】の在るべき形
上手くいかない期間、収支がマイナスなときに目指すべきトレード像は以下の通りです。
❶損失は原則として固定する
❷利益より損失が小さいトレードを継続している
❸負けているからといってトレードを中断しないこと
❹勝負はもうついていると思ってトレードする
❺最大ドローダウンと1トレードの損失許容範囲を明確にする
❻予想を遥かに超えるドローダウンが発生したら努力不足
❶の損失固定はマストです。理由は大きく2つです。一つは【期待値を重視したトレード】を一貫して継続するためです。損失が固定されていないと後で反省もしにくくなります。もう一つは、メンタルを安定させるためです。今日とか明日とか短期の視点でメンタルのブレを無くすためにも損失固定は大きなチカラを発揮してくれます。
❷も❶と同じく期待値でトレードするための前提条件であるため必須です。一歩先が不透明なマーケットにおいて、リスよりリターンの大きいポイントのみに絞ってトレードすることは理にかなっていますよね。
❸と❹は意外と意識していない人が多いのと、トレード技術が浅い段階でメンタルからトレードに入っている方に多いので忠告しておきたいことです。よくメンタル関連の投資記事を見かけると、「負け続けたら一旦休んで静観する」というものがありますが、これは言語両断です。そもそも、リアルトレードに入る前になぜトレードしようとしているか考えてみてください。「利益を出すトレードを編み出したからトレードしている」はずですよね?運用しているトレード手法が利益の出るもので大きく資産が減っている時は、そこから資産ヨコヨコの展開を経て右肩上がりに上昇していくものです。確実に目先数回のトレードで資産が増えるわけではないですが、減って増えてを繰り返すサイクルの中で「減った段階」で辞めるのは損益の観点からみても圧倒的に不利です。
❺は検証の段階で明確にするものです。検証回数としては1000回を目安にしてください。理由は以下の記事にまとめてあります。
そして最大ドローダウンから逆算して、1トレードの損失許容範囲を決めましょう。例えば最大ドローダウンが【-30%】であるならば、最大で1トレードの損失許容は【-3.3%】まで上げられますよね。ギリギリを攻めると破産が近くなるのでこの場合は【-2~-3%】程度がおすすめです。
❻についてはたまたま稀な相場で起きてしまったことなのか、単に検証が不足していた努力不足なのか精査しましょう。ほとんどは努力不足です。しかし、確率が支配しているマーケットでは絶対はないので何千回検証したとしても確率的に未曾有の最大ドローダウンは起こり得ることを心に留めておきましょう。
まとめ
最後にもう一度念を押しておきますが、ランダムウォークで不透明な相場の中である程度の算段はついたとしても、自分がトレードする相場が自分の手法と相性がいいか悪いかなんて結果論でしかわかりません。事実上、トレードしている最中では勝てる勝てないなんてわからないものです。むしろ、目の前のトレードに固執されるような戦い方は長く続きませんし、多くの弊害を産みます。やめておきましょう。
以上の内容を踏まえた上で、自分の手法を研ぎ澄ますことを継続していれば、リターンリバーサルは容易に乗り越えられるはずです。
がんばりましょう!!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
本記事がみなさんのFXライフの糧となれば幸いです。